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繁昌亭大賞は笑福亭たま、奨励賞に桂阿か枝、林家染左が選ばれる

記者会見で受賞を喜ぶ(左から)林家染左、笑福亭たま、笑福亭仁智会長=23日

 天満天神繁昌亭を中心に、その年最も活躍した入門25年以下の上方落語協会所属の落語家に贈られる「第16回繁昌亭大賞」に笑福亭たま(46)、「繁昌亭奨励賞」に桂阿か枝(50)と林家染左(50)が選ばれました。

 大賞のたまは1998(平成10)年4月、笑福亭福笑に入門。識者やメディア関係者で構成する選考委員会では、コロナ禍による休館や特別公演で落語家全体の出演機会が少なくなるなか、ハルまちフェスティバルや上方次世代落語会の企画・構成など「プロデュース力」が評価されました。

 奨励賞の2人は今回がラストイヤー。1996(平成8)年4月入門の阿か枝は、師匠・先代文枝の芸風を忠実に継承するなどベテラン委員の評価が高かったほか、同年8月入門の染左は師匠・染丸ゆずりの端正さと、近年は「柔らかみが増した」との賞賛を受け、受賞が決まりました。

 23日、大阪市北区の協会会館で開かれた発表記者会見で、たまは「若いころは早く賞がほしいと思いましたが、運もいるというのが今は分かります。うれしいです」と喜んだほか、染左は「繁昌亭も全員が(野球の)四番ではあかん。我々のキャリアではバントができ、進塁打が打てて、エラーしない。そんなのが評価されたのならありがたい」と笑顔で話しました。

 また、所用のため欠席した阿か枝は「今も(故郷の)明石に住みながら、大阪の繁昌亭で評価されたのはうれしい。学生時代に落研で競い合った染左さんと一緒に受賞できたのも励みになる」とのコメントを寄せました。

 笑福亭仁智会長は「たまさんは古典・新作・配信・プロデュース、今や三、四刀流のマルチな活躍を見せており、協会にとって大事な存在の一人。また、阿か枝さん、染左さんのような存在は後輩にとっても繁昌亭にとっても重要。(選考委員の皆さんに)光を当てていただいて、心から喜んでいる」と話しました。

 受賞記念落語会と表彰式は、来年3月1日(火)午後6時半から繁昌亭で開催いたします。