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2代目三題噺王は桂小鯛~落語と絵本のアニュアーレ2022

三題噺王に輝いた桂小鯛=27日、天満天神繁昌亭

 若手落語家が創作した三題噺と、それらを題材に製作した絵画〈はなし画〉を顕彰する「落語と絵本のアニュアーレ2022」の三題噺王決定戦決勝ラウンドが27日、大阪市北区の天満天神繁昌亭で行われ、最優秀賞に桂小鯛が選ばれました。優秀賞は桂慶治朗。また、笑福亭仁智賞に桂ぽんぽ娘が選ばれました。

 昨年8月に3つのお題を与えられた入門20年目までの落語家10人が、同9月24日に大阪市の北区民センターでの予選ラウンドを競い、勝ち上がった森乃石松、桂ぽんぽ娘、桂小鯛、桂あおば、桂慶治朗、桂三実の6名がこの日の決勝ラウンドに臨みました。

 小鯛は「保証人」「空中庭園」「大きな穴」をもとに、大阪のいろんな地域がそれごと巨大な穴ぼことなり、空中に浮かぶという奇想天外な物語を創作。予選時から表現をマイルドにする一方、ギャグを増やすなど、ブラッシュアップした点が審査員の高評価を得ました。

 前年第1回の優秀賞からリベンジを果たした小鯛は「去年は悔しい思いをしたので、今回は気合を入れて作りました。本当にうれしい。上方では今後、上方落語若手噺家グランプリ、NHK新人落語大賞とこの賞が三大タイトルになると思う。早く優勝できてよかったです」と、喜びを語っていました。

 この日は、はなし画部門の入選に選ばれた奥井絢心さんと吉井乃有さん、佳作8名の表彰式も行われました。大会の総合プロデューサーで上方落語協会会長の笑福亭仁智は「皆がそれぞれ力を発揮してくれた。若い落語家たちが火花を散らす様子が舞台に表れてよかった」と話す一方で、はなし画部門については、「落語ともども昨年よりもレベルが上がっている。落語の一瞬を絵画で切り取るのは難しいが、想像力を生かしてぜひ参加してほしい」と話していました。

はなし画部門入選の奥井絢心さん(右から2人目)

はなし画部門に入選した吉井乃有さん(右から2人目)