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「真価を舞台に」林家菊丸、芸術祭大賞受賞ウィークを前に決意語る

大賞の表彰状を前に意気込みを語る林家菊丸(右)と染二=6日、天満天神繁昌亭

 今回で最後となる令和4年度文化庁芸術祭大賞(大衆芸能部門)を受賞した林家菊丸が4月10日から天満天神繁昌亭昼席で受賞記念ウィークを行うのを前に、6日、繁昌亭で受賞の喜びやウィークへの意気込みを語りました。

 受賞の一報を電話で受けたという菊丸は「東京(の市街番号)『03』の見かけない番号が表示されているので、振り込め詐欺か何かと疑った。まさか大賞をいただけるとは思ってもみなかった」と驚いたそう。その後、病気療養中の師匠・染丸に報告したところ、染丸が筆談で「おめでとう」に続けて、すかさず「賞金は?」と書き込み、周囲を和ませた逸話を明かしました。

 4月10日からの1週間では、菊丸がトリを務めるほか、過去の大賞受賞者が相次いで登場。昭和58年度と平成15年度と2度の大賞受賞の桂文枝をはじめ、桂文之助(平成28年度)、笑福亭松喬(令和3年度)、染二(令和2年度)が中トリで、女道楽の内海英華(平成24年度)が色物枠で、それぞれ華を添えます。

 今回で繁昌亭の大トリは4回目という菊丸は「過去3回は、先輩に助けていただきながらお祝い気分でやらせていただいたが、今回は文化庁の大賞ということで真価が問われる。お客さんを納得させて幕を下ろさないといけない。ものすごいプレッシャーです。とはいっても、時事ネタや流行り言葉を噺に取り入れるのではなく、染丸の教えである『噺のハラ』を踏まえた演出を施したい」と語りました。 

 この日は兄弟子・染二も出席。上方落語界では少数派の林家一門ですが、芸術祭大賞受賞は染丸、染二、そして、今回の菊丸で3人目。染二は「中でも、菊丸は襲名わずか8年での受賞だけにすごい。今後は研さんして芸術選奨、紫綬褒章…。さらには『笑点』のレギュラーを目指して頑張ると思います」と、茶目っ気たっぷりに激励。菊丸は「兄さん、今日のお礼はどうさせていただいたらよろしいでしょうか?」と、しきりに頭をかいていました。

 前売券は3月10日から順次、チケットぴあ、繁昌亭チケット窓口で発売いたします。